まとめ

【REVIEW】The Scrap 2018 (더 스크랩 2018)に行ってきました!(Part 1)

4. 最後に:何故「作家さん」なのに?/!

このページまで辿りつく人がどれだけいるか分からないが、今回のThe Scrap 2018、いや、The Scrap 2018の「プレ・オープニング」に行って思ったことを、最後に触れておきたい。

オープニングと違って、足を運ぶ人も招待された人のみが来ていて、会場に人もまばらで、ゆっくり落ち着いて写真が見れた。先ず、この点で開催中に行くのと大分違いが見受けられる。

そして、もう一つ。それは開催側の熱意が感じ取れたこと。

The Scrapを企画している主なメンバーは、合計で5人。キュレーターのイ・ジョンミン(Lee Jungmin, 이정민)をのぞいて、その内の4人が作家として活動している。ホン・ジンフォン(Jinhwon Hong, 홍진훤)とキム・イキョン(GIM IKHYUN, 김익현)も2016-2017年の間に個展を開いた。また現在、ソウル市立美術館(SeMA)の北ソウル館で行われているグループ展《PHANTOM ARM(유령팔)》には、デュオ「圧縮と膨張」として、キム・ジュウォン(Kim Juwon, 김주원)とアン・チョロン(An chorong, 안초롱)が参加している。このメンバー達は、コンテンポラリー・アートに関心のある方々が注目している、いわばニューカマーとも言える存在である。

しかし、この作家たちも作品だけで食べている訳ではなく、むしろ生活の余力で作品を作っているほうに近い。日々の生活に加え、それでもなお、このような企画を推進しているわけだ。プレ・オープニングに行ってみて、彼らがその場に単なる作家、もしくは企画書どおり進む様子を見届ける、現場監督のような位置に立っていなかった。展示会場に行き、その入り口で案内していたのも、カウンターでチケットを売っていたのも、そして選んだ写真を手渡ししてくれたのも、自分が展示会や写真誌で見てこれなかった、作家とキュレーターの姿だった。プレ・オープニングで展示に合わせて青い服を着て、書面だけの企画書(勿論企画そのものにも労力が割かれるが)で済ませるわけではなく、実際の展示に時間と体力を削っていた。

展示会に対して、「よくやった!」という評価は、私自身あまりしたくない。何故なら、その先にあるもの―展示の構成や、意図、そしてそれから見出せる「新たな指標」―に向き合うことが、批評には求められているからだ。「よくやった!」という評価では、その展示や作品の良し悪しを定めるという土台すら、根こそぎ取り払われてしまう。しかし、これまで展示を見て、いろいろと言葉を述べ、作品を分析する立場にいた私にとって、プレ・オープニングで見た彼らの姿は、とても深く印象に残るものがあった。チケットを売ったり、案内をすることは、雑多なことにしか見えないかもしれない。しかし、それでも私は彼らのことを「○○作家さん(작가님)」と自然にも呼んでいた。その言葉を発した時、どこか妙な気持ちになったのは、彼らが行っていることが「’アーティスト’なのに、何故そんなことを!?」と思ったからだ。だが、その落胆に近い響きから、私は彼らの熱情を汲み取りたかった。そう思い返すことで落胆は、「(いい意味で)そんなことにまで作品を作るよう没頭し、熱を注いでいるのか!」という、彼らが秘めた芸術への思いへと変わった。The Scrap、それは自嘲的に「お役御免」になる企画者兼アーティストの姿ではなく、スクラップにまで限りなく近づいた、workerとしての作家だった。写真を展示・購入する経験は、今回私にとって、企画をする・創作する人の熱情として、The Scrapの経験に刻まれた。(한글)

紺野優希

 

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