個展

3つの対立と共存:ハ・テボム(하태범, Tae Bum Ha)《対立の共存》(대립의 공존, AMBIVALENCE)展

Norway Terror, 2011

Korea Artist Prize(올해의 작가상)2015のファイナリストでもあるハ・テボム(하태범, Tae Bum Ha)。写真をメインに活動するこのアーティストは、昨年アートスペース・ワット(아트 스페이스 와트)《対立の共存(대립의 공존, AMBIVALENCE)》展を開いた。この展示で紹介された作品の中から、〈s-〉シリーズを紹介しながら「何が対立していて、また共存しているのか」を分析しようと思う。

1. 白の恐怖:《WHITE》展

Norway Terror, 2011Norway Terror, 2011

私がはじめてハ・テボムの作品を見たのは、2016年にリアン・ギャラリー・ソウル(리안갤러리 서울, Leeahn Gallery)にて行われた《WHITE》展である。展示のタイトルどおり、そして2015年Korea Artist Prizeで紹介されたように、彼の作品は白を基調としている。《WHITE》で紹介された作品は、白色の構造物を作り、それを撮影したものである。住宅が爆撃や地震で崩れた場面をモチーフに撮影を行い、時には映像で効果音を加えながら構造物を破壊し、まるで白いステージのように映る場合もある。

そこではいくら残酷なモチーフとはいえ、その全てが色と共に隠されている印象を受けた。地は流れず、実際の場面ではないことが色合いからも分かることで、現実的に感じられない。その様子は、まるでヨアヒム・ヴィンケルマン(Johann Joachim Winckelmann)がラオコーンの彫像を分析したときと似たような感覚に観客を陥れる。抑えられてしまった、安定した感情として、建物の白さは現れているように、私には感じられたのだ。2017年の個展のタイトルにもなった《対立の共存》は、このように《WHITE》展にも見出せる特徴でもあった。抑えられているのは色合いだけでなく、その悲惨さやことの深刻さであり、もしかするとテレビの前で紛争のシーンを見る私たちの姿なのかもしれない。

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