The Scrap(ザ・スクラップ, 더 스크랩) Part 3

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これまで2回に分けて紹介してきた、The Scrap。Part 1ではこの企画のおおまかな内容、そしてPart 2では、作品と作家をメインに紹介をしてきた。Part 3ではThe Scrapという見せ方について考えながら、The Scrapについての総まとめとして書こうと思う。The Scrapがどのような意味でScrapだったのか、または何をScrapさせたのか、検討してみようと思う。

Part 1 → こちらから
Part 2 → こちらから

The Scrap(ザ・スクラップ, 더 스크랩) Part 1
The Scrap (Part 1) 韓国のソウルで開かれたThe Scrap(ザ・スクラップ, 더 스크랩)に行って来ました!私としては今年がはじめてで、スクラップのスの字は知っていましたが、実際にそれがどんなものなのか分からずじまいでした。え?ザ・スクラップって何?それを今回(Part 1で)説明したいと思います~
The Scrap(ザ・スクラップ, 더 스크랩) Part 2
The Scrap (Part 2) 韓国のソウルで開かれたThe Scrap(ザ・スクラップ, 더 스크랩)に行って来ました!私としては今年がはじめてで、スクラップのスの字は知っていましたが、実際にそれがどんなものなのか分からずじまいでした。Part 1の説明から、今回はどんな作品を選んだか見てみることにしましょう~!

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1. アートフェアという概念のスクラップ

The Scrap 2017

The Scrap 2017

Part 1で紹介したとおり、この企画はいたって異質である。1000枚もの写真が並べられたその空間、それは展示会場とも売り場とも言えない。ここがもし展示会場ならば、人々はどの写真を買うか、考え込むことはないだろう。また、ここがもし売り場ならば、作品に手を伸ばさないことが不自然である。会場にある1000種類の写真は、1枚1枚丁寧に陳列棚に並べられ、人々はそれを見て、番号を書き込む。手にとって裏に書いてあるエディションの表記を見ることもなければ、(そもそも存在しないが)カゴにつっこむこともない。だからと言って、番号を書き込んで、スマホで好きな写真を撮って、さぁ満足、という訳でもなく、その番号をカウンターに持って行き、写真を実際に受け取ることが出来る。

それでは、ここをなんと表現したらよいのだろうか?Part 1で私が持ち出した単語はアートフェアと見本市である。アートフェアにおいて、(ギャラリーを通じて、もしくは独自的に)アーティストは作品を売ることが出来て、気に入った人は作品を買うことが出来る。今年のKIAF(Korea International Art Fair)で展示された多くの作品も、大勢の前で取引が行われただろう。しかし、The Scrapにおいて決定的に違うのは、その値段と作品がそれぞれ同等に扱われる点である。どの写真もA4のサイズでプリントアウトされ、また取り扱われる値段までも1000種類すべて同等に扱われている。

この異質な空間、つまり、展示会場でありながも売り場でもある空間は、一般的な写真展ともギャラリー・ショップとの性格を異にしている。一般的な展示会で、会場を突き抜けると最後に現れるのがショップである。ホワイトキューブに飾られた作品に手も触れることが出来なければ、話し声すら(暗黙の内に)禁止されている展示会場と比べた時、ショップの雰囲気はとても賑やかなだけでなく、あれこれ欲しいものを手にとっては見て、気に入ったものを最後まで悩んだりもする。この2つの場所の中間領域として、The Scrapは存在しているように感じられた。それは会場でもあり、売り場でもある、いわばハイブリッドとしての存在ではないか。

KIAF 2017、ファン・ソンテ(황선태)

KIAF 2017、ファン・ソンテ(황선태)

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